2013年第4回定例会

会期 11月26日から12月12日 16日間

以下の議事録は正式な議事録ではありません
正式な議事録につきましては、大分県議会ホームページをご覧ください (こちら

12月3日 決算認定での討論
24年度大分県一般会計歳入歳出決算の認定について(こちら
24年度大分県流通業務団地造成事業特別一般会計歳入歳出決算の認定についてこちら
24年度大分県港湾施設整備事業特別会計歳入歳出決算の認定についてこちら
24年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計歳入歳出決算の認定についてこちら

24年度大分県工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定についてこちら

討論の様子はインターネット中継(録画)で見る事ができます。
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12月5日 質疑
消費税引き上げの影響についてこちら
中小企業の振興についてこちら
TPP についてこちら
学校組織についてこちら

質疑の様子はインターネット中継(録画)で見る事ができます。
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12月11日 討論
職員の給与に関する条例の一部改正について(反対討論)こちら
大分県港湾施設管理条例等の一部改正について(反対討論)こちら
大分県立学校の設置に関する条例の一部改正について(反対討論)こちら
工事請負契約の変更について(美術館建設に係る工事契約)(賛成意見)こちら
「自動車取得税の廃止」及び「自動車重量税の抜本見直し」を求める意見書(反対討論)こちら
消費税への軽減税率制度の導入を求める意見書(反対討論)こちら
企業減税等から確実な賃金引き上げを求める意見書(反対討論)こちら
介護保険制度における新たな地域支援事業の導入に係る意見書(反対討論)こちら
中国による防空識別圏の設定の即時撤回を求める意見書(賛成意見)こちら

討論の様子はインターネット中継(録画)で見る事ができます。
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                   主な議案に対する各会派の態度と結果
     2013年第4回定例会では、日本共産党は50の議案に対して38議案に賛成、12議案に反対しました。      

        議案・請願・意見書など          結果 共産 自民・無 県民ク 自民 公明 新しい風
24年度大分県電気事業会計利益の処分及び決算の認定について
24年度大分県工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について ×
24年度大分県一般会計歳入歳出決算の認定について ×
24年度大分県流通業務団地造成事業特別会計歳入歳出決算の認定について ×
24年度大分県沿岸漁業改善資金特別会計歳入歳出決算の認定について
24年度大分県就農支援資金特別会計歳入歳出決算の認定について
24年度大分県県営林事業特別会計歳入歳出決算の認定について
24年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計歳入歳出決算の認定について ×
24年度大分県港湾施設整備事業特別会計歳入歳出決算の認定について ×
災害派遣手当の支給に関する条例の一部改正について
職員の給与に関する条例の一部改正について ×
工事請負契約の変更について(美術館建設に係る工事契約)
大分県港湾施設管理条例の一部改正について ×
大分県立学校の設置に関する条例の一部改正について ×
大分県歯と口腔の健康づくり推進条例の制定について
外食メニュー表示に対する監視体制強化に関する意見書
「自動車取得税の廃止」及び「自動車重量税の抜本見直し」基本法の制定を求める意見書 ×
森林・林業・木材産業施策に関する意見書 ×
消費税への軽減税率制度の導入を求める意見書 × ×
過疎対策の積極的推進を求める意見書
介護保険制度における新たな地域支援事業の導入に係る意見書 × ×
企業減税等から確実な賃金引き上げを求める意見書 ×
公共工事の入札不調を解消する環境整備を求める意見書
中国により防空識別圏の設定の即時撤回を求める決議
4ワクチンの定期接種化に関する意見書
TPP決議の実現を求める意見書
        
 ○は賛成、×は反対 新しい風は12月4日より自民・無に会派変更


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12月3日 討論
24年度大分県一般会計歳入歳出決算の認定」について
24年度決算額で、歳入は5842797万円となっています。この決算は知事が表明した「県民が夢と希望を持ち、心豊かに暮らせる大分県づくり」になっているのでしょうか。まず歳入全般では、自主財源の県税収入は、22年度税制改正の個人県民税の年少扶養控除の廃止、特定扶養控除の見直し等によって、対前年比1.63%増の約16億円増加となり県民負担が増えたことになります。さらに景気後退による給与の減少、中小企業の倒産廃業によって、県税の不納付欠損は前年度比約2000万円増の25741万円となっています。また分担金および負担金、県営住宅の使用料などの使用料手数料諸収入等の不納付欠損は約2793万円で、収入未済額でも8203万円となっています。これらの数字から見えてくるのは、県民の暮らしが本当に厳しくなっているという実態です。自主財源を増やすためには投資的経費も必要ですが、その際、事業所の9割を超える中小企業の景気回復や個人所得を伸ばすことによって家計消費を温めていく事が重要であります。しかし決算では、相変わらずの大企業誘致や工業団地造成事業など補助金等が目につきます。日本共産党は、歳入の改革として、大企業減税を元に戻すこと、内部留保を社会へ還元させること、自社従業員への給与引き上げ等に活用させ、県経済を活性化し税収増に結びつける努力が必要と考えます。一方歳出予算はどうでしょうか。「安心」の県政では、子育て満足度日本一を標榜し、津波対策など東日本大震災を教訓とした整備を進めるとなっています。ひとり親家庭医療費助成は親が1500円の自己負担となっており、保護者からは「一部負担金をやめてほしい」との意見も出されています。また重度障害者医療費についてもいまだに現物給付にもなっていない点など、子育て日本一を目指すのであれば、子ども医療費の無料化こそ推進すべきであります。また国による社会保障の改悪の一環として、生活保護費の受給額が今年8月より減額され、これに対し県下の生活保護世帯から166件もの不服審査が県に提出されています。生活実態を無視した国の基準引き下げに怒りがわくと同時に、県として県民の暮らしを守る観点から今後引き下げに反対の立場をとるべきであります。さらに国民健康保険の広域化推進によって、市町村の一般会計から繰り入れが出来なくなり国保税が値上がり、更なる負担増となります。いまでも負担できず滞納世帯が増加し、資格証明書の発行は各自治体で続いています。県独自の補助制度を設け国保税の引き下げに努力すべきであります。本来自治体としては、このような国民の暮らし犠牲の悪政から防波堤の役割を果たさなければなりません。自立できる雇用環境、子育て環境、生活環境を整えることこそ県の役割のはずです。財政調整基金の残高を積み上げることに腐心するのではなく、国保税等の値上げ抑制のため思い切って繰り入れをおこない、暮らし応援の予算へと転換させるべきであります。また、現在の津波・地震対策の地域防災計画は、大津波の対策がメインとなっています。県は今後、南海トラフ地震や伊方原発等の事故による複合災害を想定して具体的な要領の策定を行う予定となっていますが、早急に策定し各自治体や県民に周知徹底させるべきであります。今後の方向を注視しておきます。「活力」では儲かる農林水産業を目指したブランド化の推進や、補助金漬けの企業誘致、産業集積の促進がうたわれています。農林水産業の経営体も大変な状況が決算でもわかります。事業用の各貸付金が経営の悪化によって収入未済額が生じ、廃農等や行方不明などで貸付金が返済されない実態が発生しています。さらに農業の大規模化や企業参入を推進してはいますが、わずかな件数となっています。参入した中小企業へのフォローアップもしなければならないのは当然ですが、地域に根を張って頑張っている小規模農家にも、しっかりとした助成をしなければなりません。しかし今の農林水産予算の方向はそうはなっていないのが現状です。今後の農林水産業の振興には、再生産を保障する価格保障、所得補償制度を構築させるとともに、これ以上の輸入野放しを許さないという県としての姿勢が県内農林水産業の再生にとって不可欠です。県内農林水産業を活性化させ、小規模経営への支援などを通じてこそ、農林水産業産出額の増加、食料自給率の向上が達成されるのではないでしょうか。あわせて、国が協議に参加している、TPPへの参加に対し明確に反対の立場を表明し、日本農業及び県内農林水産業を守るべきであります。また企業誘致のための各補助金・事業費は、約32億円の決算となっています。企業が進出しても自動車関連にわずかの県内企業の下請け化が見られる程度で、半導体メディカル等の大企業では地場下請け企業もないのが実態です。中小企業活性化条例に基づき、大企業の役割も明確にして地場中小企業への仕事拡大を図り、地域循環型経済の輪にしていくことが重要です。また雇用の面でも、誘致をしても県内では非正規雇用の拡大、ワーキングプアの拡大になってしまっているのが実態です。大分県で働いてよかったと思えるような雇用対策を行い、大企業としての社会的責任をきっちりと果たさせるような姿勢が必要と考えます。さらに工業団地等の整備事業やその開発事業などを進めていますが、これは、団地を造成して企業誘致を推進しようとしたが、うまくいかなかったという過去の失敗の教訓を活かさないやり方であります。これ以上の工業団地に投資を続けることは、税金の無駄使いであります。「発展」では、子どもたちの学力・体力の向上や社会資本整備に取り組むと言っています。
子どもの学力対策として、小中学校学力向上対策事業などこれまで9年間実施してきていますが、テスト至上主義では子どもの学力向上にとって有益ではないのは明白であります。さらに進学力向上として最難関大学等への入試対策で予備校講師による講座等を実施していますが、難関大学へ入ることが、主目的となり人格形成等がおろそかになってしまう懸念があります。また同じように習熟度別学習の実施でも出来る子と出来ない子を分けてしまい、子ども間や学校間で格差を拡大してしまう恐れがあります。一方で人権同和教育決算では、事業費として24,766,316円支出されています。さらに社会福祉費では、運動団体に8,208,000円も委託料という名で補助金を出しています。同和問題は終結したという国の方向からも逸脱しているような同和事業関連予算は廃止をすべきであります。学力向上対策としては、30人学級の拡大と教員の増員・正規化によって、一人一人の子どもに寄り添って指導ができる環境づくりこそ必要であります。また教育リストラとして進めてきた、農業系単独校の廃止や高校の統廃合などは直ちに中止すべきであります。また社会資本の整備として、大企業の輸送ルート確保の為の大型港湾の整備、新日鐵住金しか利用できない、堤防の補修など実施しています。さらに豊予海峡ルート推進のために未だに協議会などにしがみついています。これらはいずれもムダな大企業優遇の大型事業の推進であり中止すべきです。県内中小企業の仕事拡大や県産材の活用、地域経済への経済効果も約10倍ある「おおいた安心住まい改修支援事業」や「暮らしの道再生事業」など、生活密着型の公共工事を増やす予算こそ増額して実施すべきであります。以上のように、日本共産党として大分県の基幹産業である農林水産業や、雇用の受け皿及び経済活動の活性化の底上げとして、建設業やサービス業、卸小売業など県内中小企業へ支援を重点とした予算を今後組むこと。あわせて、消費税増税や社会保障切り捨て、医療費の負担増に喘ぐ住民の暮らし福祉応援の予算に切り替えることを強く求め、反対討論とします。

24年度大分県流通業務団地造成事業特別会計歳入歳出決算の認定」について
今期特別会計の決算は、公債費や防災環境対策として7,395万円になっています。平成13年度分譲開始から平成24年度末までの分譲率は65.1%で当初の販売計画通りに行っていないのが現状です。平成24年度末の起債残高見込みも92億円あり、売れなければ更なる県民負担につながってしまいます。県内にはたくさんの塩漬け土地があります。これらも含めて今後造成費の利払いなど販売が進まなければさらに大きな県民負担となります。このような事業の決算には反対をします。

24年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計歳入歳出決算の認定について
24年度大分県港湾施設整備事業特別会計歳入歳出決算の認定」について

この決算は大企業日産への呼び込み方式の土地造成事業であり、港湾管理と重要港湾などの施設建設を目的とした事業です。いずれも一部大企業のための事業であり、県民の税金投入には反対をします。


24年度大分県工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定」について
この事業会計は、低廉で豊富な水を臨海工業地帯の大企業群に供給する事業会計です。大企業群に供給している水の料金は、一般家庭の水道代の14分の1から24分の1となっています。まさに大企業優遇の水道行政であります。また、新日鐵住金、鶴崎共同動力、新日本石油などは、工業用として安く仕入れた水を船舶などへ飲料水として、1182円から197円で転売し利益を得ていることは、県民にとって納得できるものではありません。さらに両事業の内部留保も平成24年度末で約190億円あります。一部地域振興基金として一般財源に繰り入れることになっておりますが、企業立地促進のための予算ではなく、社会保障の充実等に使えるよう求め反対討論とします。以上で各決算認定議案に対する討論とします。


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つつみ県議
知事は、県政諸般の報告で、経済活性化対策では「消費税率の引き上げによる景気の腰折れを回避し、国の経済対策も積極的に取り込みながら、地域経済を下支えする」としています。また県政推進指針にもふれ、安心・活力・発展の各課題に取り組むと言っています。そこで以下の点について質問します。

(1) 消費税率の引き上げについて 
私はこれまで中小企業者や消費者と懇談をする中で、「下請単価は下がっているのに、消費税率が上がれば商売をやめざるを得ない」「給料は上がらないのに、消費税や社会保障費の負担増で暮らしていけない」といった声を伺いました。また年金生活者からは、「年金が引き下げられ、その上消費税率の増税。高齢者は死ねというのか」などといった悲痛な声も聞きます。暮らしと営業を破壊してしまうのが消費税増税です。労働者の平均年収は、1997年より70万円も減り、年金も今年から今後3年間で2.5%削減されます。このように家計消費が冷え込んだ時に、消費税率の引き上げによって、さらに8兆円もの負担を押し付けることは、ますます消費の低迷に拍車をかけ、景気後退につながってしまうのは明白です。消費税増税中止こそ、景気回復につながるのではないでしょうか。知事が言うように景気の腰折れを懸念するのであれば、消費税増税中止を求めるべきと考えますが、答弁を求めます。
知事
段階的な消費税率引き上げを柱とする社会保障・税の一体改革関連法は、昨年の8月に成立しましたが、政府は、あらためて経済状況等を総合的に勘案した検討を行い、本年10月、来年4月からの8%への消費税率引き上げを確認する閣議決定を行いました。急速に進む高齢化で、社会保障給付は、平成24年度の約110兆円から、平成37年度には約149兆円まで増大する事が見込まれています。大分県は「子育て満足度日本一」を掲げるとともに、高齢者の元気づくりや障害者の自立支援に力を入れ、誰もが安心して心豊かに暮らせる地域づくりを進めている本県にとっても、安定した制度とその財源の確保は重要です。一方、国と地方を合わせた平成25年度の債務残高は、対GDP比で228.4%と主要先進国で最悪の水準であり、財政の健全化に向けた我が国の取組は、国際社会や金融市場などからも注目されています。もし、財政への信認が低下するような事態となれば、金利の上昇などを通じた市場の混乱になり、国内の経済・財政・国民生活に重大な影響を与えるリスクも指摘されている所です。消費税率の引き上げは、広く国民に負担を求めるものであり、そのために安易に考えてはいけないと思うけども消費税の引き上げは、持続可能な社会保障制度の確立とそのための安定財源の確保、財政の健全化のためにも、これ以上、将来世代に過重な借金を背負わせないためにも、必要なものであり、やむを得ないものと認識しています。しかしながら、消費税率の引上げは、景気を下振れさせる懸念もあり、十分な対策を講じた上で実施する必要があります。このため、政府は、消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減を緩和し、その後の経済の成長力の底上げなどを図るため、来年の4月から6月期に見込まれる駆け込み需要の反動減を大きく上回る、5兆5千億円の新たな経済対策を本日決定するとのことです。県としても、今後の実行に移される政策を効果的に活用し、地域経済を下支えしていきたいと考えています。

つつみ県議
社会保障の持続的安定的な継続と長期債務の解消というのは平成元年から消費税が導入された時から政府は言っています。今度は8%。これまで消費税が社会保障の充実に使われたと思っているのでしょうか
知事
評価は色々あると思いますけども、とにかく厳しい財源の中ではありますけども日本の豊かな国、成熟期の国と社会保障の充実を図っていかなければならないという政策課題があったわけですから、全体の方向としてはその方向に進んできているのではないかと思っています。


(2)中小企業の振興について
つつみ県議
政府は、消費税増税と一体に、約5兆円規模の経済対策を行おうとしています。その内容は、大企業へのばらまきを重点としたものとなっています。8兆円の増税を押しつけておきながら、5兆円のかっこつきの景気対策を行うなどは、政府自らが景気後退を認めていることの証明であります。しかも見せかけの景気対策の中でも中小企業対策はわずかなものであるため、消費税の増税のみが押し付けられることになります。全体の9割以上を占める中小企業にこのような負担増を押し付けて、地域経済の下支えができると考えているのでしょうか。県は、「成長意欲の高い企業を後押しする」という、多数の中小企業を排除する選択と集中路線を転換し、県内すべての中小企業を対象にした商品開発、販路開拓、技術支援、後継者育成などの中小企業振興策を講じることが景気回復の道となるのではないでしょうか。答弁を求めます。
知事
経済対策のメニューを見ると中小企業については、投資の促進等としか書いていない。これまで取り組んできた小規模事業対策をはじめとした、きめ細やかな中小企業対策をやめるわけではありません、それは引き続きやると理解している。こうした各種支援を背景に県内地場企業もこの10年間で着実に成長してきており、そうした事実に目を向けるべきだとも考えています。例えば、半導体分野で世界市場に進出した企業や情報分野で上場を果たした企業、自動車部品で進出企業と肩を並べるまでになった企業など、県経済や雇用を支える企業が育ってきました。そして、それらの企業に触発されて、後に続く成長意欲やポテンシャルの高い企業群も形成されてきています。大企業の海外展開や国内の誘致競争の激化が続く中、これらの地場企業の飛躍を促し、次のステージに押し上げ、地域に新しい雇用や産業活力を生み出していく事が大事だと考えています。さらに、そうした企業が育ってくれば、関連する中小企業の技術力向上やビジネスチャンスの拡大、さらには雇用の拡大にもつながると言った、好循環が生まれてくるのではないかと考えているところです。消費税は心配なところもあるが、対策をしっかり打ってもらいながら、中小企業が前向きに転がっていく手立てが必要だと思っています。

つつみ県議
消費税の関係でいうと中小企業振興は非常に大切ですが、特にアベノミクスによって物価上昇が続いている光熱費や資材費などの負担が増えてきている。下がる事を知らない。一方で負担が増えています。9割近くの中小企業は大企業の下請けに入っていない方々も多い。一般的な多数の中小企業は負担増のみで、その上にさらに消費税の増税が待ち受けている。地域経済そのものが発展しない。中小企業を繁栄させるには物価上昇をおさえる事、消費税増税で景気後退をさせないと言う方向性しかない。家計消費を温める事が大事だと思うが、知事の見解は。
商工労働部長
大企業に入っている系列の企業ばかりでないと承知している。消費税増税で腰折れしないように、今後ともしっかり金融支援をはじめ地場の中小企業を応援する施策をしっかり取っていきたいと考えています。
つつみ県議
消費税増税を中止を求める事が、景気回復対策の方法です。


(3)TPPによる農林水産業及び中小企業への影響について
つつみ県議
県政諸般の報告では、「農林水産業産出額2100億円の達成、足腰の強い地場企業を育成する」と言っていますが、安倍政権が進めているTPP交渉により、県内の農林水産業及び中小企業が壊滅的な打撃をうけてしまうのは明白であります。「農林水産業の構造改革」や「成長意欲の高い企業への後押し」をするとしていますが、例外なき関税及び非関税障壁の撤廃が目的であるTPPは、米国やオーストラリアから安い農産物の流入による食料自給率のさらなる低下につながってしまいます。また入札参加企業の外国資本への拡大や地元中小企業への優先発注など、撤廃を求められる危険性があります。TPPへの参加は、県内農林水産業産出額2100億円の達成及び中小企業の経営を守ることができるのでしょうか。交渉からの撤退を求めるべきと考えますが答弁を求めます。
知事
TPP
は関税だけではなく、投資や知的財産など、幅広い分野で新たなルールを構築する事で、成長著しいアジア太平洋地域に大きなバリュー・チェーンを作り出すことが目的です。そうしたこともあり、今となって韓国中国も強い関心を示しているものと思っています。我が国にとってもTPPは経済の再生とさらなる成長を目指すためのものであり、地域の農林水産業や商工業の維持・発展、住民福祉の向上につながらなくてはなりません。いよいよ大詰めの局面を迎え、現在、関税協議を巡る農産物の重要5項目の取り扱いなどについて、厳しい交渉が続いています。本県はじめ九州地方知事会も、国に対し、国益が確保できるよう、強い姿勢で交渉に臨む事を求めています。政府は、守るべきものは必ず守るとして交渉入りしたわけですので、断固とした態度を示すものと信じています。農林水産業も商工業も、すでに厳しい国際競争の中にあります。我々としては、TPPの如何に関わらず、将来にわたって持続的に発展できるよう、足腰の強い産業基盤の構築にしっかり取り組んで参ります。

つつみ県議

日本が提示する自由化率を当初の「80%」程度から「95%」近くまで引き上げたとされています。農産物重要5項目の関税を残した場合は93・5%となることから、という事から重要5項目の中のどれかを関税対象からなくし95%まで引き上げる。つまり重要5項目が関税撤廃がそじょうにのぼっているというのが実態ではないか。これで、政府が言うように重要品目は守る事が出来るのでしょうか。そこで待ったをかけるのが大事で自給率をあげる為にも必要だと思うが、知事の見解はどうでしょうか。

知事交渉の中身はどうなっているのかは推測の域を出ていない。重要5項目は守ると言う事で交渉に入ったので、交渉に入る前提の線でやってもらいたいと考えています。基本は変えずに頑張ってもらいたい。
つつみ県議
交渉に入らなければ情報がはいらないと知事が言っていたが、情報開示すべきと知事も国に強く言って下さい。

つつみ県議
中小企業への影響については農産物の流入などによる農林水産業の衰退で、関連産業にも大きな影響が出ますが、その対策はどうするのでしょうか。答弁を求めます。
商工労働部長
中小企業を巡る環境は、既に少子高齢化や人口減少をはじめ、海外との競争激化など、大きく変化するとともに、今後も厳しさを増していくものと考えている。TPPについても、協定が発効されれば、食品関連企業等に限らず中小企業は少なからず影響を受けると思うがメリット、デメリットがあると思うが、大事な事は、負の側面だけとらえるのではなく、むしろTPPがもたらす市場の拡大や様々な規制の緩和をビジネスチャンスに結び付けて行く事だと考えている。そのために中小企業が取り組むべきは、まずは、足元の経営基盤の強化を図ること、そして、変化に対応すべく先見性や柔軟性を持って挑戦していく事だと思う。県としては、そうした中小企業に対し、情報提供はもとより、資金調達や商品開発、販路開拓などについてしっかり支援してまいりたい。

つつみ県議
負の方をどう対処していくかが、行政のあるべき姿であります。負の部分の具体的政策をとっていかなければならない。見解はどうか。
商工労働部長
前向きな政策はしっかりやっていく。個々に厳しい状況におかれる様な企業がいれば、経営改善を始め金融支援などその都度しっかりと対応をとっていかなければならないと思います。TPPが仮に協定が発行されれば、これをしっかりとチャンスと捉えて、しっかりと県経済を押し上げていきたいと考えています。また、個々についてもしっかり目くばせをしていくという事を忘れずにやっていく。
つつみ県議

TPPについては撤退すべきです。

(4)芯の通った学校組織について

つつみ県議
数値目標を設定し、取り組みを進めていく事が重点となっています。学校現場の教職員や保護者、児童等はどのように受け止めているのでしょうか。数値目標の達成のみが目標となっては、人間としての成長を見逃してしまうのではないでしょうか。答弁を求めます。
教育長
ご指摘のあった学力・体力向上やいじめ等に関する目標指標は、数値の設定や達成そのものが目的ではない。県、市町村教育委員会、学校が共通の目標を持ち、課題を明らかにしながら、持続的、発展的取組を進め、子どもの力の向上や豊かな心の育成といった教育本来の目的を実現するため設けているものである。学校訪問や校長との意見交換の中では、目標が具体的になる事で、@教職員間で重点目標や取り組むべき内容の共通理解が進んだ、A目標達成に向けた取組の具体的な検証・改善が進むようになった等の意見がある一方で、心の部分といった数値化により評価できないものもあるとの意見も聞いている。また「芯の通った学校組織」をテーマに県内を4つのブロックに分け、各地域の保護者を対象に実施した県民フォーラムでは、「目標設定の大切さが良く分かった」「取組みの結果を検証し改善していく事が大事」等に意見があった。今後とも、子どもたちや学校の課題を明らかにしながら、組織的に取組を改善していく事により、子どもたちの一層の成長を促していきたい。

つつみ県議
数値目標だけ独り歩きしないで、人間形成をしっかりやるべきと要請します。


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12月11日 討論
116号議案「職員の給与に関する条例の一部改正」について
この条例改正は人事委員会勧告に基づくものであり、55歳を超える職員に対し、昇給号数を2号級から0号給に引き下げるものとなっています。これによって職員約2,300人に対し、約1,000万円の昇給分がなくなり、今後の年金受給額にも影響が出てしまいます。これまでも、人員削減、退職手当の減額や給与の削減等行われた結果、職員の働く意欲にも影響が出ているのではないでしょうか。働く環境を整備してこそ県民サービスに努めることができます。55歳と言えば県の要職につき、責任を持って仕事についている方々です。このような職員のさらなる実質的な給与削減はやめるべきであります。

130号議案「大分県港湾施設管理条例等の一部改正について」について
今回の条例改正は、来年4月からの消費税率8%への増税に対応したものですが、県民が利用する別府港の駐車場使用料や上屋使用料なども値上がりになってしまいます。日本共産党として消費税増税に反対する以上、関連した使用料等の値上げには反対します。また大分港大在地区のコンテナクレーンの使用料値引きについても、さらに3年間伸ばすというもので、大企業優遇としかいいようがない期間の延長策です。

131号議案「大分県立学校の設置に関する条例の一部改正」について
今回の条例改正は高校改革推進計画に基づき、県立臼杵商業高等学校、県立野津高等学校、県立津久見高等学校を廃止するための条例の一部改正です。先日臼杵商業高校の最後の文化祭を見てきました。先生や生徒、卒業生、地域の方々が参加し、大変盛り上がった文化祭でした。臼杵市は商業の町として栄え、また野津高校は福祉科が大変充実しています。このような各分野の専門校が地域からなくなることは、地域活性化にとっても大きなマイナスとなります。さらに現津久見高校の1-2年生134名のうち、臼杵市からは56名が通学しています。保護者の負担も増えているのが実態です。大分県として前期、後期再編整備計画を策定し、地域の存続を望む声に背き、県立学校の統廃合を進めています。高校改革推進計画の中には、適正規模の学校とは、「多くの生徒と出会い、お互いに切磋琢磨する環境、専門の教員配置、多彩な部活動が選択できる」と定義づけられています。このような条件は、統合や廃止でなくても十分達成できる条件でありますし、少ない人数だからこそきめ細かな指導ができるのであります。今回の高校等の統廃合によって、クラス数減少に伴い、教職員の削減にもつながってしまいます。この立場から計画の見直しと統廃合中止を求め、反対討論といたします。

121号議案「工事請負契約の変更について」反対ではありませんが、一言申し述べます。
今回の契約変更は県立美術館建築工事に関わる変更です。変更理由では地中埋設物の出土及び、共同住宅の煙突内部からアスベスト含有物が検出されたとして約1,542万円の増額となっています。大分銀行との売買契約の時に、煙突にアスベストが使用されていたことは分かっていたのではないでしょうか。今回663万円もの撤去費用がかかることが当初から分かっていれば、契約金額にも影響があったと思われます。今後県民に誤解を招かないような契約にしていくことを求め討論とします。

議員提出第22号議案「自動車取得税の廃止」及び「自動車重量税の抜本見直し」を求める意見書」について
与党の税制大綱では、「消費税が10%に増税されたときに自動車取得税を廃止する」と、消費税10%への増税を前提として廃止を言っています。本意見書案でも消費税増税を前提として、安定的な代替財源の確保を求めてはいますが、自動車取得税の廃止による自動車税や軽自動車税の増税に対する懸念のみの表明となっています。さる5日に、政府は「201510月に合わせて軽自動車税を現在の1.5倍または2倍に引き上げる」と見直し案が明らかになった。軽自動車産業や利用者が「低所得者に負担がかかってしまう」と反発の態度を表明しています。このような「軽自動車等への税金の増税には明確に反対の立場をとる」と意見書でも主張すべきであります。


議員提出第26号議案「消費税への軽減税率制度の導入を求める意見書」第29号議案「企業減税等から確実な賃金引き上げを求める意見書」について。
安倍自公政権は、20144月から、消費税率の8%への引き上げを強行しようとしています。消費税増税だけでも8兆円、年金削減など社会保障の負担増・給付減を合わせれば10兆円もの、文字通り史上空前の負担増であります。安倍自公政権は、「経済再生と財政再建の両立をはかる」といいますが、これが強行されれば、国民の暮らしにはかりしれない深刻な打撃をもたらし、経済も財政も共倒れの破たんに追い込まれることは明らかであります。これまで、「アベノミクス」の結果、株価や物価は上がっても国民の所得や雇用は増えていません。政府が実施決定の直前になって追加的な経済対策をめぐり大騒ぎしたのも、経済が好転していないのを証明するものです。そして景気への対応として、年末に決定する復興特別法人税の廃止を含めると5.5兆円という「経済対策」を打ち出しましたが、その中身は、大型公共事業の追加に3.1兆円、復興特別法人税の廃止や大企業減税に使われるというものです。所得が減り続けている国民から8兆円も吸い上げ、270兆円もの内部留保を抱える大企業に減税をばらまくことなどもってのほかであります。この蓄積した過度の内部留保を雇用や中小企業、社会に還元することを求める声は、いまや大きな国民世論となっています。賃上げで国民の所得が増えなければ不況は打開できないことは、政府も、財界ですら、否定することができなくなっています。ところが、安倍自公政権がやろうとしていることは、派遣労働の無制限の拡大、解雇の自由化、「サービス残業」の合法化など、不安定雇用と長時間労働をいっそうひどくする「賃下げ政策」であります。賃上げの必要性を認めながら、現実にすすめているのは、大企業の目先の利益優先で、「賃下げ政策」を次々に繰り出す。行き詰まりと自己破たんは深刻であります。日本共産党は今消費税増税の41日からの実施を中止する法案を提案しています。両意見書案では、このような消費税増税を前提にした軽減税率の導入を求めていますが、本来増税しなくても日常生活品は非課税にすべきであります。また自・公による税制改正大綱には企業減税が盛り込まれていますが、大企業にはこれ以上の減税等必要ありません。270兆円にもおよぶ内部留保を活用して賃上げをと、財界に正面から提起するよう国に求めるべきであります。

議員提出第28号議案「介護保険制度における新たな地域支援事業の導入に係る意見書」について。
厚生労働省は、来年の通常国会に提出を狙う介護保険法改定案の具体化を急ピッチですすめています。改定案は、介護を必要とする人のサービス利用をきびしく制限するなど国民に負担を強いる方向が鮮明です。安心の介護保障を求める国民の願いに逆らう改悪案に批判と怒りの声が上がっています。「使わせない路線」を拡大する改悪はただちにやめるべきです。 今回の改定案には、従来の介護保険制度の根幹を覆す重大な内容がいくつも列挙されています。その一つが、一定の所得のある高齢者の利用料負担増です。介護保険制度発足からずっと1割だった利用料負担を初めて2割にするものです。年金など限られた収入しかない高齢者にとっては現在の1割負担も軽くありません。いまも負担の重さからサービス利用を断念する高齢者も少なくありません。 さらに「軽度者」の締め出しも露骨です。今年8月末の県内の要支援者認定数は21,092人、その内居宅及び地域密着型サービス受給者は15,888人です。この方々を国基準の介護保険給付の対象から除外する方針は、制度の存立にかかわる大問題です。もともと「要支援1-2」は、自公連立の小泉政権が強行した05年介護保険改悪で導入されたもので、「要介護」の高齢者が次々と「要支援」に変更され福祉用具の取り上げなど深刻な被害が続発しました。それでも「予防給付」という国基準の介護保険給付を保障する仕組みは残されていました。今回は国基準による「予防給付」の仕組みすら廃止し、市町村の「事業」に丸投げするとしたのです。さんざん「介護予防」の重要性を強調しながら、なにをするかは市町村まかせという国の姿勢はあまりに無責任です。これに対し市町村や利用者から「受け皿もなく、サービスが受けられなくなる」「財源をしっかり確保すべきだ」などの意見が相次ぐと、一転して全廃を撤回。要支援者向けサービス費用の約4割を占める訪問看護、リハビリ、訪問入浴介護などは保険サービスに残す事態になりました。また要支援者向け事業費に上限を設け、サービスを抑え込む方針にも市町村が反発し、結果上限を超えた場合は「個別判断」と表明せざる得なくなりました。さらに要介護12の人を特養ホームから締め出す方針も批判が噴出し、「特養以外での生活が著しく困難」な場合に例外と認める方針に転じ、対象外にする根拠が崩壊しています。今回の制度改定は、「費用の削減ありき」で検討してきた介護保険改定の正当性や現実性は、設計図が出来る前からぼろぼろであり、法案すら国会に提出されていない状況でもあります。本意見書案では人材確保のために消費税財源を使うよう求めています。介護保険はずしをやめ、社会保障とは相いれない消費税増税による財源化には反対します。その財源は、270兆円もの内部留保をため込む大企業や大資産家に応分の責任と負担を求めることがスジです。消費税大増税と社会保障改悪を阻止し、介護をはじめとする社会保障の再生・充実をすすめるよう強く主張するべきであります。

議員提出第31号議案「中国による防空識別圏の設定の即時撤回を求める決議」案に対する賛成討論
中国国防省は1123日、沖縄県各諸島など日本の領土・領海を含む東シナ海に「防空識別圏」を設定したと発表しました。同省発表の公告は、「防空識別圏内を飛行する航空機は国防省の指令に従うべき」で「指令に従わなかった航空機に対し、中国の武装力は防御的緊急措置を講じる」と明記しています。このような防空識別圏の一方的設定は絶対に許されない行為です。日中間で対立と緊張が続いている一つの焦点に尖閣諸島問題がありますが、「防空識別圏」は尖閣諸島の上空も含まれています。こういう軍事的緊張を高めるやり方は問題の解決に逆行します。どんな言い分があったとしても、ある国が実効支配をしている地域に対して、力によってその変更を迫ると言うのは、今日の世界で紛争解決の手段として決して許されるものではありません。中国とは領土問題も含めて冷静に外交努力を通じて解決されるべき問題です。いたずらに軍事的緊張を高めるやり方は厳につつしむべきであるということを求め賛成討論とします。

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日本共産党大分県議団
2013年12月3日決算認定の討論
2013年12月5日 質疑
2013年12月11日討論