2012年第4回定例会

会期 11月27日から12月12日16日間

以下の議事録は正式な議事録ではありません
**正式な議事録につきましては、大分県議会ホームページをご覧ください**

12月4日  決算の認定に対して討論
23年度大分県一般会計歳入歳出決算の認定について(反対討論)
23年度大分県工業用水道事業会計利益の処分及び決算認定について(反対討論)
23年度大分県流通業務団地造成事業特別会計歳入歳出決算について(反対討論)
23年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計歳入歳出決算について(反対討論)
23年度大分県港湾施設整備事業特別会計歳入歳出決算について(反対討論)

12月6日 質疑
県政諸般の報告について(TPP)
県経済の動向について(金融円滑化法)
職員の退職手当に関する条例等の一部改正について
介護保険法改正に伴う各基準の整備について

12月12日 討論
職員の給与に関する条例等の一部改正について(反対討論)
職員の退職手当に関する条例等の一部改正について(反対討論)
大分県立学校の設置に関する条例の一部改正について(見解)
生活保護法、医療法、老人福祉法、社会福祉法、介護保険法、児童福祉法、障害者自立支援法、
など一括関連法の改正による条例改正について(見解)
オスプレイ配備中止、低空飛行訓練の撤回を求める意見書の不採択に対して(反対討論)

消費税増税の中止を求める意見書の不採択に対して(反対討論)
生活保護基準の引き下げをしないことなどを求める意見書の不採択に対して(反対討論)
青少年の健全な育成に関する条例の改正強化について(見解)
防災・減災体制再構築推進基本法の制定を求める意見書について(反対討論)
メタンハイドレートの実用化を求める意見書について(見解)
次代を担う若者世代支援策を求める意見書(見解)



                主な議案に対する各会派の態度と結果 
2012年第4回定例会では、69本の議案に対して61本賛成、反対8本。
                        また請願が不採択になった4本に対して採択すべきと反対しました。

        議案・請願・意見書など          結果 共産 県民ク 自民・無 自民 公明
23年度大分県一般会計歳入歳出決算の認定について ×
23年度大分県病院事業会計決算の認定について 
23年度大分県電気事業会計利益の処分及び決算の認定について
23年度大分県工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について ×
23年度大分県公債管理特別会計歳入歳出決算の認定について
23年度大分県母子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算の認定について
23年度大分県中小企業設備導入資金特別会計歳入歳出決算の認定について
23年度大分県流通業務団地造成事業特別会計歳入歳出の決算の認定について ×
23年度大分県就農支援資金特別会計歳入歳出決算の認定について
23年度大分県林業・木材産業改善資金特別会計歳入歳出決算の認定について
23年度大分県沿岸漁業改善資金特別会計歳入歳出決算の認定について
23年度大分県県営林事業特別会計歳入歳出決算の認定について
23年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計歳入歳出決算の認定について ×
23年度大分県港湾施設整備事業特別会計歳入歳出決算の認定について ×
23年度大分県用品調達特別会計歳入歳出決算の認定について
24年度大分県一般会計補正予算(第4号)について
大分県福祉のまちづくり条例の一部改正について
保護施設等の設置及び運営に関する基準を定める条例の制定について
病院及び診療所の人員及び施設等に関する基準を定める条例の制定について
養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
指定居宅サービスの事業に係る申請書の要件並びに人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の制定について
介護老人保健施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
指定介護予防サービスの事業に係る申請者の要件並びに人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の制定について
婦人保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
指定障害者福祉サービスの事業に係る申請者の要件並びに人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
指定障害者支援施設に係る申請者の要件並びに人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
指定通所支援の事業に係る申請者の要件並びに人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について
指定障害者児入所施設に係る申請者の要件並びに人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の制定について
大分県暴力団排除条例等の一部改正について
特別職の常勤職員及び教育長の退職手当に関する条例の一部改正について
介護福祉士等修学資金貸付制度復活を求める意見書
青少年の健全な育成に関する条例の改正強化について
職員の給与に関する条例等に一部改正について ×
職員の退職手当に関する条例等の一部改正について ×
オスプレイの低空飛行訓練の撤回を求める意見書 ×
MN22オスプレイの配備中止を求める意見書 ×
消費税増税の引き下げをしないことなどを求める意見書 ×
生活保護基準の引き下げをしないことなどを求める意見書 ×
地球温暖化対策を推進するための森林整備等に係る財源の確保を求める意見書
災害に強い道路ネットワークの整備を求める意見書
国営大野川土地改良事業に関する意見書
メタンハイドレートの実用化を求める意見書
希少疾病用医薬品の開発促進・支援の為の法整備等を求める意見書
次代を担う若者世代支援策を求める意見書
防災・減災体制再構築推進基本法の制定を求める意見書 ×
 

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12月4日 決算の認定に対して反対討論
23年度大分県一般会計歳入歳出決算の認定について
 本日衆議院選挙が公示され、民・自・公の3党合意による「社会保障・税の一体改革」のもと、消費税増税法及び社会保障改革関連法によって、暮らしも福祉も切り捨てられようとしています。これを食い止めるかどうかが大きな争点として闘われます。日本共産党は国民の暮らしと社会保障を守り、発展させることに重点を置いた政治実現のため今後も奮闘する決意です。大分県政においては、県民の暮らしを国の悪政から守る防波堤の役割が求められます。しかし、大分県の実態は、国の社会保障改悪路線に沿って、負担しきれない国保税や介護保険料の引き上げ、さらに後期高齢者医療制度等によって、県民の福祉・医療は切り下げられてきました。高齢者が受け取る年金は物価スライド制で引き下げられ、さらに解散のどさくさにまぎれて今後3年間で2.5%もの削減を実施する法律を強行しました。年収200万円以下のワーキングプアーの増加や、事業所得・農業所得の減少など、大変な苦労を強いられ生活をしているのが実態です。県として福祉予算を増額し、安心して暮らせる県政にする責務があり、予算編成もこの立場に立つべきであります。しかし今回の決算については、この立場に到底なっていないことを指摘し討論を行います。 
歳入全体
決算では歳入が約5900億円となっています。特に県税は、収入済額は各税目で減少し、平成22年度では10002,012万円であったのが、23年度では、9866,784万円と135,228万円、△1.36%となっています。不納付欠損についても平成22年度と比較して、約3350万円、16.44%増加しています。23年度は東日本大震災の影響もありますが、収入が減り欠損が増えるということは、県民の所得の減少や法人税等の減少が大きな要因と考えられます。
さらに県債残高は、前年度より189,800万円増加し、1兆415億円となり、県民一人当たり87万円もの負担をかついでいることになります。臨時財政対策債があるからと言って、借金体質は変わるものではなく、これまでの箱物行政のつけが今表れていることになります。これを改善するためにも、自主財源である県税収入を増やすことが重要です。一部大企業の誘致ではなく、圧倒的多数の中小企業や雇用の安定化及び農林水産業の振興、社会保障の充実等によって、内需主導の経済への転換で税収を増やす事など、歳入の改革を強く求めるものです。
歳出について
@雇用対策では「正規雇用が当たり前のルール」をつくること。
大分県では、補助金を使い企業誘致を雇用対策等として推進してきていますが、圧倒的部分は非正規労働者の拡大であります。それさえ大分キャノンなどの大企業は、これまで西日本最大の派遣切りをおこないました。さらに東芝大分工場の配置転換や日本テキサスインスツルメンツ日出工場の閉鎖など、県内の雇用環境は悪化しているのが現状です。人間らしく働ける労働のルールを確立し、安定した仕事を保障し、所得を増やす雇用政策への転換をすすめることが必要です。
非正規雇用を安易な雇用の調整弁として利用する「使い捨て雇用」をやめさせ、均等待遇を厳格に実施し、正規と非正規の不当な差別・格差をなくし正規雇用が当たり前の雇用ルールを作るのと同時に、中小企業への資金助成支援を行いながら、最低賃金を1000円以上に引き上げ、「働く貧困層」をなくすことが大切です。県として解雇中止を企業に求めることと、このようなルール作りこそ実行すべきであります。

A大企業立地優先政策から、内需拡大、中小企業者を中心とした地域経済の活性化へ転換すること。
今回の決算には「企業立地促進事業費」として、6件に35千万円の補助をしています。これまで企業立地促進補助金や企業立地基盤整備補助金等併せれば、約142億円もの税金投入をしています。企業は補助金の多寡によって進出を決めるのではありません。このような補助金こそ廃止をし、中小企業分野へ重点投資をすべきであります。また大企業と中小企業との間に公正・公平な取引関係が存在せず、中小企業が大企業の不当で横暴な支配のもとにおかれ、異常な格差がつくられているのは、日本に特有のものです。雇用の7割を支える中小企業の経営が安定しなければ、県民の所得を増やすこともできません。中小企業と大企業の労働者の賃金格差を是正することは、労働者全体の所得を引き上げるうえで不可欠です。中小企業を大分県経済の「根幹」にふさわしく位置づけ、本格的な振興策を実施することが大切です。そのため中小企業と大企業の公正・公平な取引のルールを確立し、不公正な取引をやめさせることや、大型店の身勝手な出退店をゆるさないルールをつくり、商店街・小売店を活性化することが必要です。 さらに公共事業を大型開発優先から生活密着型に切り替えるとともに、官公需の中小企業発注比率を引き上げることや、経済効果の大きい住宅リフォーム助成制度の創設や生活できる賃金をはじめ、人間らしく働くことのできる労働条件を保障する「公契約条例」の制定をすすめることが大切です。このような方向にこそ転換させるべきであります。 今回の決算で、「おおいた安心住まい改修支援事業」は平成23年度1000件目標に対して39件で助成額も521万円という状況でありました。今後の周知徹底と拡大を期待するものです。
B 社会保障制度の充実を図っていくこと。
県は「子ども医療費助成制度」で年齢等の拡大を行っていますが、一部負担金を徴収しています。保護者からは「せめて給食費の自己負担はなくしてほしい」。「通院の年齢を拡大してほしい」という切実な声が出されています。しかし県は予算がないと言ってこの声にこたえようとしないのが実態です。国が実施をしないのであれば、県として予算措置を行い、真の意味での「子育て日本一」の県を目指すべきであります。さらに今回は、ひとり親家庭の医療費の現物給付方式と一歩進んだかのように見えますが、これまで負担のなかったひとり親家庭にも一部負担金を導入するなど、ひとり親家庭の生活実態を見ないやり方となっています。一部負担金の中止と、「重度心身障がい者医療費給付事業費」にも一部負担金なしで現物給付にするよう求めるものです。国保税については、高すぎて払えない世帯や保険証が取り上げられている世帯が増加し、病院に行けなく死に至る人が出ていることが明らかになりました。これは国保に対する国庫支出金の削減がおこなわれ、加入者への異常な負担増がもたらされた結果です。県としてこのような実態は放置し、ただ広域化によって安定的な運営を目指すというにとどまっています。これでは根本的な解決にはなりません。県として国に国庫支出金の削減中止とその増額を強く求めると同時に独自助成をすることによって値下げを実施することが大切です。さらなる値上げにつながる広域化には反対し、人権を無視した差し押さえをやめさせていくべきであります。
C 教育予算の充実で学校教育条件の整備・充実を図ること。
今決算では、「教職員人事評価制度充実事業」を推進しています。これは子どもに寄り添う教師ではなく、管理職などの顔色をうかがう物言わぬ教師を作り、管理職等の恣意的な判断が教師を追い詰めてしまい、その上給与面にもリンクさせるという大変危険なものです。今でも精神疾患や病欠が多い教育現場で、さらに精神的に追い詰めてしまうような制度は廃止すべきであります。また「高校改革推進」の後期再編整備計画によって、今後完全に農業の独立校がなくなってしまいます。計画策定の「農業高校の基本的な考え方」では、総合選択制のメリットのみが強調されていますが、なくなることによって、地域の疲弊や専門校としての知識や農場等による技術の取得等が薄くなってしまうことなどが考えられます。子どもの数のみに着眼した統廃合について、保護者や在学生、卒業生から反対の意見が出されています。地域住民の納得が得られないような、統廃合は直ちにやめるべきであります。「人権教育振興」として同和教育を推進し、人権教育研修会にも助成をしています。さらに生活環境部でも、同和問題は終結したにもかかわらず委託料という名目で同和団体へ8,208,000円も支出しています。このような予算こそ廃止すべきであります。新学力向上推進事業として、難関大学への進学や予備校講師による講座の開催等によって、競争力の激化や子どもに格差をもたらす事業が行われています。 このような競争力激化や物言わぬ教師づくりを推進して行く中で、4年前に教員採用を巡る県教育委員会の汚職問題が生じました。真相解明はほど遠いにもかかわらず、和解と損害賠償金の支払いで幕を閉じようとしています。この事件からの最大の教訓は、教育委員会の上意下達を廃し、少人数学級の拡大や正規教職員の増員、臨時講師の解消や管理競争教育の解消など学校教育条件の整備・充実することであります。その実現のための予算面からの支援こそ必要であります。この方向への転換を強く求めるものであります。
D 農林水産業の振興をはかること。
農業の振興には、農産物の価格保障を中心に、所得補償を組み合わせて、安心して再生産できる収入を保障することで、農業の抜本的再生への道を開くことができます。またこれ以上の輸入野放しを許さないという県としての姿勢が県内農業の再生にとって不可欠です。企業参入や大規模営農に特化した農政では、多様な生産活動を保証することができません。県内農業を活性化させ、家族経営への支援などを通じてこそ、農業産出額の増加、食料自給率の向上が達成されるのではないでしょうか。さらに国が進めようとしている環太平洋経済連携協定(TPP)は、農業に壊滅的打撃を与え、食料自給率を引き下げ、地域の雇用と経済を破壊するとともに、中小企業分野や医療や金融など国民生活のさまざまな分野でアメリカの要求が押しつけられることになります。亡国のTPP参加には、明確に反対の意思表示を県としてあげ、食料主権を守る立場に立つよう強く求めるものです。日本共産党として今回の一般会計決算の認定について、県民の暮らしと福祉の充実で県民の所得を向上させ、安心して大分県で暮らせる予算への転換、大企業の身勝手な大量解雇に反対し雇用をまもる県政へ。そして大企業に補助金を出すのではなく、疲弊してしまっている地場中小企業者への支援、農林水産業の振興等を県政の中心に据えることを求めて反対討論とします。

特別会計決算の認定について
全国的にも安い工業用水を供給するという大企業優先の事業会計である、第102号議案「平成23年度大分県工業用水道事業会計利益の処分及び決算認定」及び、来るあてのない企業のために無駄な税金投入を行っている、第107号議案「平成23年度大分県流通業務団地造成事業特別会計歳入歳出決算」及び、第112号議案「平成23年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計歳入歳出決算」及び、輸出大企業のための、第113号議案「平成23年度大分県港湾施設整備事業特別会計歳入歳出決算」については、いずれも大企業優遇の決算であり反対をします。

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12月6日 質疑
県政諸般の報告からTPPについて
堤県議
平成25年度予算編成について、「福祉・医療の充実、農林水産業や商工業の振興」を挙げています。しかし県としていくら予算計上しても、国がTPPへ参加すれば、このあらゆる分野で規制の撤廃が行われ、農林水産業の衰退や皆保険制度、地元中小企業分野への優先的発注などが取り払われてしまいます。TPP参加で日本の食料自給率は13%まで低下し、米の自給率は1割以下になってしまうといわれています。国は「守るべきものは守る」と言いますが、TPPに参加して「守るべきものを守る」ことなどありえません。県として農林水産業の約579億円もの生産額が減少する危険性のあるTPP交渉参加には、明確に反対の立場をとることが、知事の言う「福祉・医療の充実、農林水産業や商工業の振興」につながる事ではないでしょうか、答弁を求めます。
知事
これまでも申し上げてきましたが、人工減少が進む我が国においては、海外市場の活力を取り込み、経済を発展させていかなければ、将来的に雇用を守り、福祉・医療を充実させる事は、難しいのではないかと思います。TPPは今後、アジア太平洋地域の貿易や投資の基本ルールとなる可能性が高いと考えられ、本日もニュージランドで第15回交渉会合が開催されています。今回からカナダとメキシコが参加し11カ国会合となり先月にはタイも参加を表明した所です。我が国が逡巡しているうちに交渉が進んでいき、何も主張できないまま、最終的な貿易の枠組みを受け入れざるを得ない状況になれば、日本経済にとって大きな不利益が生じます。まずは、交渉に参加し、わが国に有利なルールとなるよう、国益を主張することが大事だと考えています。農林水産業への影響をご心配いただいていますが、これは私もまったく同じ気持ちです。だからこそ、影響が懸念される分野には、国が責任を持って、関係者の不安を打ち消すような、しっかりとした対策を明確に打ち出すべきだ、強く要請している所です。いずれにしても、様々経済連携が正解各地で加速する中、政府がTPPについての判断をもはや先送りできる状況にはないものと考えています。
堤県議
知事の答弁中でも、農林水産業の国民の不安は国として取り除いてやっていかなければいけないとの答弁だが、当然県内の農林水産業の方々も不安を抱えている。大分県の最高責任者の知事としてどうやってその不安を払しょくしていくか指し示さなければならない。特に米の90%、小麦では99%、牛乳乳製品56%、牛肉75%、豚肉70%も生産量が減少してしまうといわれているもとで、どうやって生産が継続できるような施策をとっていくのか。それは不可能に近いのではないか。大分県農業を守り「食料は大分県の大地から」という見地で、明確に反対の立場をとるべきです、答弁を求めます。
知事
この4月に政府は全国で説明会をするという事で、大分県でも行われた。その時に参加することになればこういう影響があるだろう、それに対してこういう対策を講じて行くと、従って参加に納得してくれと説明があると思っていたが、その時にも交渉に入っていない段階で何も分かりません。どのような事になっていくのか分かりません。それで急いで交渉には参加をしてみたいという話だった。心配しているのはそういう事で交渉がどんどん動いている中で我々は何も情報が取れない、情報も取れないから我々の心配を主張してそれを介するような手も打てない。優位の主張を会議ではできない。またその論点に沿って国の方で対応策を考える事も出来ない。そういう状況の中で、11カ国が参加し、会議も大きくなってきている。そういう状況だから、交渉に参加してそして議論をするという事こそが、本当に日本の農業農民を支えることになるのではないかと思う。
堤県議
カナダ・メキシコも交渉参加等いっているが、既に合意した条項は全て受け入れるというのが前提条件である。日本とは比較にならない広大な土地で生産された安い米や乳製品が日本に流入すれば、大分県内の農家や酪農はひとたまりもないではありませんか。知事として大分県の農業を守るという観点に立つべきと考えますが答弁を求めます。
知事
大分県の農業を守るという事は大事な事で、同じ気持ちである。それがTPPに参加しないで守られるかが判断の分かれ道。このまま参加をしない、TPPの議論は進んでいく、挙句の果てどういう事になるかというという事を真剣に考えておかないと農業を守らないだけではなく日本の経済も危機に瀕する。農業を守るという事は大変大事なこと。交渉に参加してからこそ、日本の農業は守られる。逆に交渉に参加しなかった事になった時に本当に農業が守られるかを良く考えてみる必要がある。
堤県議
一部の競争力の強い部分は残るだろうが、圧倒的大多数の家族経営でやっている農林水産業では壊滅的な状況になる。またこれはアメリカの戦略の一つである。知事としてストップをかけるべき。

県経済の動向について(金融円滑化法) 
堤県議
中小企業への金融対策について、金融安定化法が来年3月末期限切れとなります。大分県の中小企業にとってその後が心配されます。金融庁担当大臣は「金融機関は貸し付け条件の変更等や円滑な資金供給に努めることは円滑化法の期限が到来しても何ら変わるものではない」と言っていますが、この趣旨をどう金融機関に徹底しているのでしょうか。また県内における、貸し渋りや貸しはがしの実態はどうなのか、答弁を求めます。
商工労働部長
111日の金融担当大臣談話については既に金融庁から銀行協会等の関係団体を通じて各金融期間通知がなされている。これを受けて、九州財務局や大分財務事務所が全ての県内金融機関を訪問して、大臣談話に関する説明を行ったと聞いている。県では、関係機関と連携して、中小企業の経営改善等を支援するため「大分県中小企業サポート推進会議」を1025日に設立したところである。この会議で財務事務所から大臣談話に先だってこの主旨の説明を聞いた。来年3月末の金融円滑化法終了を控え、県や商工団体においては、中小企業からの相談に丁寧な対応を心掛けているが、確認できる範囲では、金融機関の融資姿勢が厳しくなったとの相談はない。今後も引き続き中小企業等の動向を注視し、適宜、金融機関に対し円滑化法終了に向けた対応について要請を行うとともに、商工団体等の関係機関との連携による中小企業支援に努めたい。
堤県議
サポート会議の中の経営改善計画について、計画通りに進捗している企業は少ないと思われる、3月末の経営不振の数は不明という事だったが、状況を把握して、どう救済していくか方向性を示さなければならない。
商工労働部長
大分県中小企業サポート推進会議を立ち上げた所以は、金融支援と経営支援を一体的にまた、支援機関がより広く連携して行う枠組みを県保証協会で作り更に活用していくという事です個別の企業のサポートについては個別企業対応を行う経営サポート会議を保証協会で立ち上げたところです。金融機関のみならず関係の支援機関が連携して個別企業案件にしっかり取り組める体制を整えた。こういった場をしっかり活用していくことを県としても後押しをしていきたい。
堤県議
具体的な後押しは何か。
商工労働部長
個別案件に応じてという事になる。例えば、県の方で事業の再生の支援、新たな事業分野への対応への支援。多岐の支援策がある。制度支援の活用も含めた各金融機関の動向と支援機関のマッチングなどが県として役割を発揮できると考えている。
堤県議
中小企業者予算を増額し、技術開発、販路拡大、円滑な中小企業金融など、進出大企業の下請け企業支援だけではなく、県内中小企業者全体への支援を強化することとか根本的な支援策を取るべき。
商工労働部長
中小企業の支援は県政の中でも大変重要な施策でこれからもしっかり取り組んでいく。状況に応じてまた時代に応じて必要な対策が変わってくる。世の中の動きをしっかりキャッチして行政として提供をしていく。その流れの中で県内企業が強みを伸ばし、課題を対応するにはどういった手助けが必要かそれに対して県として財政的な対応すべきものについてはしっかり対応すると25年度に向けても取組んでいく。

職員の退職手当に関する条例等の一部改正について
堤県議
平成24年度から3年間で14.9%もの削減で、国の削減に準ずるという事だが、大分県内の官民格差の実態はどうなっているのでしょうか、答弁を求めます。
総務部長
地方公務員の退職手当制度は、地方公務員法に定める「均衡の原則」により、国の制度に準ずる事とされています。本県をはじめ他の都道府県においても、これまで、独自の民間実態調査は行わず、国の制度改正に準じてきたところです。したがって、今回の退職手当制度の改正に合った手も、県独自の調査は行っていないため、県内の官民較差の把握はしていない。
堤県議
国に準じてというのであれば、県として調べるべきである。退職金とは、後払い賃金や退職後の生活保障的な機能を持っています。3年間に400万円もの削減になる。この削減額は年間の生活費にも相当する金額であります。老後の生活設計など生活保障機能に逆行するではありませんか。これをどう考えているのか、答弁を求めます。
総務部長
退職手当は、議員が言われたように、長い間勤続した時の保証的な意味、生活にあてるという事もあろうと思いますが、退職手当は国の制度改正に準じてきたところで、それには、いろんな意味があり、同じ制度にしておく事のメリットがある。今回の取り扱いになると思う。
堤県議
このような引き下げは県だけではなく、各市町村も実施をすれば、地域経済にとって大きな影響が出てくるのは当然であります。県が地域振興のために商店街の振興や地域資源を生かした振興策を実施しようとしても、地域へお金が落ちなければ経済が回転しない。今回の削減案は内需主導の景気回復と逆行すると思いますがその認識はどうでしょうか、答弁を求めます。
総務部長
退職手当の引き下げが地域経済に与える影響については、所得の消費との関係を考えると、消費の低下につながるという面はあるかも知れないが、公務員の給与のあり方と景気対策は、分けて考えるべきと考えている。このため、県としては景気対策として、本年度の当初予算で、県内経済の様々な分野にしっかりと対策を講じ、特に、公共事業と単独事業を増額するとともに、国の23年度の3次4次補正を積極的に3月補正で受け入れまして、13カ月予算という工夫をして確保しました。10月と11月に閣議決定した国の予備費を活用した景気雇用対策についても積極的に受け入れて、早期に事業着手していきたいと考えています。今後とも退職手当制度については国に準拠した制度とし、景気対策は、経済の底上げや雇用の確保等に実効ある施策を別途講じるべきだと認識している。
堤県議
現場は、退職金や景気対策で入ってきた金というのは見えない。全部自分たち落ちてくるべきお金が少なくなってきたと感じる。景気対策はやらなければならない。しかし経済を冷え込ませる一つの要因となる、給与の削減は地域経済を冷え込ませるという認識を持たなければならない。官民格差と言うが、これまでの民のピーク時の100万円近く減ってきている。非正規の問題や給与体系が引き下げられた等色んな問題があり下げられてきている。それを比べれば負の連鎖でどんどん下がってきている。ますます地域経済が冷え込んでします。民間等の給与も引き上げると事を県としても訴えていき、負の連鎖を断ち切るべきと思うが、どう思っているか。
総務部長
負の連鎖にならないようにしなければいけないと思っているが、公務員の給与や退職制度は民間の調査をして行っているので、ご理解を頂きたい。逆に民間が公務の方に準じてやるとなると負のスパイラルになるので、それは避けないといけない。

「介護保険法改正に伴う各基準の整備」について
堤県議
国の責任で財源措置をして、人員配置が十分できるようにすべきと考えますが、県としての見解はいかがでしょうか。
福祉保健部長
高齢化の進行により、介護サービスに対する需要は、今後も大幅に伸びると見込んでおり、安定的かつ持続的な介護保険財政の運営を可能とする仕組みの構築が大きな課題であると認識している。このため、県としては、これまでも国に対し、適切な介護報酬の設定と共に、保険料の上昇及び市町村財政を負担を抑制するため、国の財政負担を拡充するよう提言している。介護保険制度のあり方については、先に設置された社会保障制度改革国民会議の中で、併せて、介護報酬についても社会保障審議会で議論される事となっており、その動向を注視したい。
堤県議
国の制度として保険料の減免制度をつくることなど、本人も家族も安心して利用できる介護保険制度に切り替える事が重要と考えます。県として国に対し、このような制度への転換を求める事、また県でも独自助成を行い、保険料の引き下げを実施するようにする考えはないのでしょうか。
福祉保健部長
社会保障制度改革国民会議を見守る。また介護保険の要支援や要介護にならないように食育や成人病の予防やリハビリに努めて、介護保険から卒業するようなシステムに地域包括支援システムに取組んでいる。


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12月12日 討論
「職員の給与に関する条例等の一部改正」及び、「職員の退職手当に関する条例等の一部改正」について反対討論
116号議案「職員の給与に関する条例等の一部改正」及び、第117号議案「職員の退職手当に関する条例等の一部改正」について
今回の退職手当削減案は平成24年度から3年間で14.9%もの削減となり、平成24年度の退職手当の予算を基に計算すれば、約24億円の削減になります。報道では退職手当の一人平均額は2780万円で、3年間で約400万円の削減となります。国によると、この削減は「官民格差の是正」を図るためとして実施されようとしています。しかし大分県は「国に準じて実施するので、退職金の大分県内の官民格差の実態調査すらしていない」のが実態です。これでは削減の理由がないのと一緒であります。質疑でも明らかにしたように、退職金とは、後払い賃金としての性格や退職後の生活保障的な機能を果たす役割を持っています。3年間に400万円もの削減と、住宅手当等の廃止や今後55歳昇給停止が実施されれば、家のリフォームを考えていた職員や大学などの教育費にも大きく影響が出ると考えられます。この削減額は年間の生活費にも相当する金額であり、老後の生活設計など生活保障機能に逆行するものであります。さらに今後、給与や退職金の引き下げが県だけではなく、各市町村も、全国でも実施をされれば、地域経済にとって大きな影響が出てくるのは明らかです。県が地域振興のために商店街の振興や地域資源を生かした振興策を実施しようとしても、地域へお金が落ちなければ地域経済は循環しません。今回の削減案は内需主導の景気回復と逆行すると思います。これ以上、官民の給与等の減少の連鎖が続けば、両者にとって生活水準を維持することができなくなってしまいます。しかし大企業20社では、不景気といわれていても、この1年間で内部留保を14500億円も積み増し、総額623400億円にも達しています。ここにメスを入れて民間給与の引き上げを行い、負の連鎖を断ち切るべきと考えます。 これこそが家計を暖めて内需主導の景気回復の道になります。

大分県立学校の設置に関する条例の一部改正について(見解)
153号議案大分県立学校の設置に関する条例の一部改正について今回の改正は大分中央高校の廃止と中津支援学校の新設の条例改正ですが、中津支援学校の設置は長く保護者等が望んできたことであり、今後とも設備や人員の配置など、子どもや保護者の意見をとりいれていただきたいと考えます。また中央高校の廃止には反対ですが、本条例改正では一括で採決することになっており、廃止には反対しつつも支援学校の設置には賛成するという立場を表明して討論とします。

生活保護法、医療法、老人福祉法、社会福祉法、介護保険法、児童福祉法、障害者自立支援法、など一括関連法の改正による条例改正について(見解)
第122号議案から141号議案まで、生活保護法、医療法、老人福祉法、社会福祉法、介護保険法、児童福祉法、障害者自立支援法、など一括関連法の改正による、「設備や運営、人員にかかる基準等の条例制定及び改正」
であります。これは国としての基準等の責任を地方に押し付けるものであり、責任放棄といわなければなりません。今後県として積極的に人員などの増員を行い、安心して利用できる諸制度へ切り替えていくことを求め、賛成討論とします。

オスプレイ配備中止、低空飛行訓練撤回の意見書の不採択に対して反対討論
継続請願22MV22オスプレイの配備中止を求める意見書の提出について」及び請願25「オスプレイの低空飛行訓練の撤回を求める意見書提出について」今年99日に米軍普天間基地のある沖縄県宜野湾市で開かれた「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」には、101千人もの県民が参加し、新型輸送機オスプレイの「配備やめよ」の声をとどろかせました。沖縄県下全市町村の首長をはじめ参加者が本土復帰後最大規模となったのは、配備反対の悲痛な願いを無視し、墜落をくりかえしている危険なオスプレイの普天間基地への配備に対する日米両政府への怒りの大きさを示しています。配備反対は「島ぐるみ」の要求であり、日米両政府は配備を撤回すべきです。また沖縄県では、オスプレイ配備にかかわって、日米両政府が、「飛行は人口密集地を避けること」などの「安全対策」を合意したにもかかわらず、それを無視した飛行が行われ、人口密集地・住宅地での飛行が常態化しています。大分県でも人ごとではありません。米軍が発表したイエロールートと呼ばれる低空飛行訓練ルートでは大分市、豊後大野市、由布市、九重町、玖珠町、中津市、日田市、佐伯市といった自治体の上を超低空飛行で訓練する計画となっています。その上攻撃ポイントに駅やインターチェンジ、ダムといった施設を想定しており、傍若無人としかいいようがありません。日本の航空法では、オスプレイのようなオートローテーション機能がない回転翼機の飛行は禁止されています。更に、オスプレイは地上60メートルでの低空飛行訓練をやると伝えられていますが、これも航空法では禁止されているものです。にもかかわらず、日本政府は沖縄普天間基地への配備を強行し、日本全土での低空飛行訓練を容認しようとしています。全くのアメリカ追随の姿勢にどこの国の政府かと言いたくなります。大分県でも、湯布院観光に悪影響を及ぼすことは必至であり、観光協会や由布市等も「自分たちの頭の上を危険なものが通過することに賛成する人はいないだろう」とオスプレイの飛行訓練に反対を示しています。このような危険なオスプレイの配備は撤回し、飛行訓練をさせないようにすることは、県議会として「県民の命と安全を守る」という立場に立つ責務があります。ぜひ両請願を採択していただくよう求めるものです。

消費税増税の中止を求める意見書の不採択に対して反対討論
請願26消費税増税の中止を求める意見書の提出について 野田政権は、民・自・公の3党合意によって「社会保障と税の一体改革」で、消費税を2014年に8%、2015年に10%に増税する大増税法を成立させました。政府は消費税の増税を「安定的な社会保障のため」「将来の世代に借金を残さない」と言って行おうとしています。しかし19894月に消費税が導入され2011年度まで約251兆円の税収がありましたが、同時期の法人3税の減収は233兆円となっており、消費税は社会保障や借金払いのためには使われず、法人税減収の穴埋めに使われてきたというのが実態です。その上輸出戻し税として、輸出大企業トヨタや日産、ソニー、東芝など上位10社で8,516億円も還付しているのです。税率が2倍になれば還付も2倍になり、輸出大企業は全く腹が痛まないのが実態です。また、社会保障でも後期高齢者医療制度の温存や介護保険や国保など負担しきれないほどの保険料の値上がりや、お金がないのでサービスもまともに受けられないなど、これのどこが社会保障のために使ってきたというのでしょうか。その上老齢年金、障害年金の給付削減などを皮切りに、年金の支給開始を6870歳に先延ばしする、医療費の窓口負担を増やす、保育への公的責任を投げ捨てる「子ども・子育て新システム」を導入するなど、社会保障のあらゆる分野で、高齢者にも、現役世代にも、子どもにも、負担増と給付削減という連続改悪をすすめる計画です。「社会保障と税の一体改革」といいますが、「一体改悪」がその正体であります。また消費税増税は日本経済をどん底に突き落とし、財政破たんもいっそうひどくするということになってしまいます。税率が10%になれば、約13兆円もの大増税になるのにくわえ、年金額の削減などを含めると年間16兆円、さらにすでに決められた制度改悪による年金、医療などの保険料値上げによる負担増をあわせると年間20兆円もの大負担増になります。しかも、日本経済の長期低迷と世界経済危機、これらを「口実」にした大企業の大リストラ、雇用破壊のもとで、国民の所得が大幅に減り、貧困と格差が広がり、多くの中小企業が経営難におちいり、地域経済が深刻な疲弊のもとにあるさなかでの大増税です。それは国民の暮らしにはかり知れない打撃を与え、日本経済をどん底に突き落とし、財政破たんをいっそうひどくすることは、明らかです。 日本共産党は消費税の増税をしなくても、社会保障の充実と財政再建はでる、という提言を発表しています。大型開発や軍事費をはじめ政党助成金など税金のムダづかいの一掃と、富裕層・大企業優遇の不公平税制を見直すとともに、新たに「富裕税」「為替投機課税」などを導入することでまかなうことができます。そして、先進水準の社会保障拡充のために「応能負担」の原則にもとづき、累進課税を強化する所得税の税制改革を実施します。 このような社会保障の再生・拡充と同時並行で、国民の所得を増やし、経済を内需主導で安定した成長の軌道に乗せる経済改革を進めていけば、消費税の増税なくして社会保障の充実も財政危機も打開することができます。本請願の不採択は請願に込められた請願団体の構成員37,000名の「消費税増税反対」の意思を無視するものであります。ぜひ本会議で採択されるよう求めるものです。

生活保護基準の引き下げをしないことなどを求める意見書の不採択に対して反対討論
請願27生活保護基準の引き下げをしないことなどを求める意見書の提出について 現在厚労省が生活保護基準額の引き下げへむけた検討を本格化させています。同省の基準部会を5カ月ぶりに再開し年内に結論を出す方針です。同省は別の部会で親族の扶養義務強化など保護を受けにくくする改悪案の議論も始めています。生活保護法制定から50年余り、政府が大がかりな改悪に乗り出したことは重大です。貧困が拡大し国民を支える「最後のセーフティーネット」の拡充こそが急がれるとき、それに逆行する国の責任放棄は許されません。 基準額引き下げは、野田政権がすすめる消費税増税と社会保障削減の「一体改悪」の一環です。来年度予算編成では、生活保護を「聖域視」しないと容赦ない削減方針を打ち出しています。 厚労省が当面の削減対象にしているのは基準額のうちの食費、水光熱費など日常生活に必要不可欠な費用です。ギリギリの生活を送る受給者が電気代節約のためエアコン使用を我慢し熱中症で搬送されるケースも少なくありません。さらなる引き下げは受給者をますます苦境に追い込み、命を奪う事態を続発させかねません。しかしこれは受給者だけの問題ではありません。生活保護基準額は、国民のくらしを守る法律や制度と密接不可分の関係にあります。最低賃金は生活保護を下回らないようにすることを法律で定めています。基準額の引き下げは、最低賃金アップにブレーキをかけ、さらに引き下げにもつながりかねません。住民税の非課税限度額とも連動しているため、基準額が下がれば、いままで無税だった低所得の人にも税金がかかります。保育料、国民健康保険、介護保険の負担も増加する人が生まれます。就学援助を打ち切られ、多くの子育て世帯を直撃します。国として基準の引き下げは行わず、国庫負担の増額や老齢加算の復活こそ、行うべきであります。 本請願はこのような国民の命にかかわる問題を投げかけています。採択するよう求めるものです。

青少年の健全な育成に関する条例の改正強化について(見解)
請願29「青少年の健全な育成に関する条例の改正強化について」 大分県青少年の健全育成に関する条例では、第20条から第23条までに「青少年への有害興行や有害図書、インターネット利用、有害玩具類についての規制」等が明記されています。確かに請願のような問題は規制が必要ですが、規制のやりすぎで「表現の自由」にまで規制の網がかからないように注意をする必要があります。このような規制強化にならないことを望み討論とします。

議員提出第33号議案「防災・減災体制再構築推進基本法の制定を求める意見書」について
この法案の内容は、民主党との「密室談合」で、消費税大増税と社会保障改悪の「一体改革」関連法を強行採決させた自民、公明の両党が、「国土強靭化」「防災・減災」などと銘打って大型公共投資を競い合っている、というのが実態です。3党密室合意による消費税増税法には、消費税増税で財政にゆとりが生まれ、機動的対応ができるとして、「成長戦略や事前防災および減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」との文言がこっそり挿入されました。消費税の増税分を「社会保障に全額使う」というのは見せかけで、実際には財源が置き換えられ、大企業への減税、無駄な大型公共事業、軍事費などに使われることになる恐れがあります。公明党は今後10年間で100兆円を投資する「防災・減災ニューディール」を打ち出しています。「防災」のためと言っていますが、「その内容をみると旧来型の公共事業が並んでいる」という代物です。すでに民主党政権は東日本大震災を受け、地震に備えて「多重の物流網」をつくる必要があるとして、今年度予算で、東京外郭環状道路に1兆2800億円、新名神高速道路6800億円など大型公共事業を相次いで復活させています。防災や減災に向けたインフラ整備は必要ですが、それは、より生活に身近なところから整備をすすめるべきです。巨額の費用を投じて、防災に本当に役立つかどうか疑問もある高速道路や新幹線整備を優先する必要はありません。防災・減災対策を理由にすれば、なんでもいいというものではありません。ダム・高速道路など新規建設を抑制し、防災・老朽化に備えた維持・更新事業を優先することや、大型開発事業より雇用に役立つ小規模事業、住民生活密着・地域循環型へ切り替え、住民の命と暮らしを守り、地域経済再生に役立つ公共事業政策をすすめ、国民のいのち・安全を守るための身近な防災・減災対策事業を優先することが重要だと考えます。以上の理由から本意見書には反対します。

議員提出第34号議案「メタンハイドレートの実用化を求める意見書」について
反対ではありませんが一言意見を申し述べます。メタンハイドレートのメタンガスの燃焼は石油に比べて熱効率が高く、燃焼による窒素化合物などが出ないために、少なくとも石油燃料よりは地球環境への影響は少ないといえるものですが、他の化石燃料と同じで持続可能な燃料ではありません。原発を即時廃止し、再生可能エネルギーへ移行するまでの、一時的な省エネルギー燃料と考えるべきだし、メタンガスそのものは地球温暖化効果が二酸化炭素の23倍大きいと言われており、メタンハイドレードの開発に際しては、大気中にメタンガスを大量に放出させることのないように、十分注意する必要があるということを申し述べて討論とします。


議員提出第36号議案「次代を担う若者世代支援策を求める意見書」について
反対ではありませんが一言意見を申し述べます。失業者が増え、雇用不安が高まり、賃金が下がった結果、個人消費と内需は落ち込む一方で、経済危機から抜け出す道は見えません。結婚ができない、子どもを産めないなど、少子化への影響も深刻です。自殺や犯罪の増大との関連も指摘されています。日本共産党は、人間らしく生き、働けるルールの確立へ力をそそぎます。大企業の巨額の内部留保を社会に還元すれば、雇用と賃金、労働条件を守り、国民の所得を増やし、家計を温め、日本経済を内需主導の健全な発展の軌道にのせることが可能になり、労働条件改善と経済発展の好循環につながります。若者の就業等支援のためには、大企業の横暴な人減らし・リストラを許さず、解雇、退職・転勤強要を許さない解雇規制を法制化することや、雇用の原則は正社員、期限の定めなき雇用とし、非正規の不利益扱いを禁止し、正社員化と均等待遇をすすめること。労働者派遣法の抜本的改正を実現させ、使い捨て労働をなくすことや、不安定な働かせ方の有期雇用への規制をおこない、パート法の抜本改正をすすめることなどの改革を行うことが重要と考えます。以上の観点に立って政府は若者支援対策を立てるべきと要望し討論とします。
                  
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日本共産党大分県議団
2012年12月6日質疑